075−721−5511
NEWS
フッ化物の使い方②
みなさんこんにちは!
京都市北区、北山の小佐々歯科診療所です?⚕️
前回に続いて、今回もフッ化物の使い方の続編です。
前回の記事をご覧になられていない方は是非ご一読ください?
フッ素(フッ化物)ってどうなの?
という疑問にお答えしていきたいと思います。
前回でフッ化物の概要をお伝えしました。
今回は一歩進んで、フッ化物をどう使用すればいいか、有効な使い方を説明します
是非みなさんにも正しく使用し、有効に使っていただければと思います!
それでは進めていきましょう!
フッ化物の有効な使い方
フッ化物配合歯磨剤のむし歯を予防する作用は、使用後にどれだけお口の中に残っているかが大事です。
早速ですが、ここは重要なポイントです!
その残留したフッ化物がお口の中でフッ化物イオンとなり、
そのイオンが歯に作用することで再石灰化作用や酸産生抑制効果などが期待できます。
歯医者さんで、フッ化物塗布などの後に「しばらく飲み物は控えてください」と言われた方は多いかと思います。
そういえばうちの子、フッ素を塗ってもらった後に、「お口ゆすぎたい〜」って叫んでたわ
初めての子はそのような反応は多いかもしれません?慣れてくれば大丈夫ですよ!
それは、せっかくお口の中にあるフッ化物イオンが、洗口や飲食をしてしまうとどんどん流れてなくなって、塗布した意味が薄れてしまうからですね。
フッ化物を塗った後が重要です!
塗った後でじわ〜っと効いてきますので、歯科医院での指示を是非守ってください?
ではさらにつっこんで、フッ化物のチェックポイントを4つあげてみます
①フッ化物イオン濃度
②歯磨剤の使用量
③ブラッシングの時間
④ブラッシング後のすすぎ方
です。
では一つずつ見ていきましょう!
フッ化物イオン濃度
現在、日本ではフッ化物イオン濃度の上限を1500ppmFとしています。
フッ化物配合歯磨剤によるむし歯の予防効果は、このフッ化物イオンの濃度に依るところが大きいです。
ある程度濃度がないと効果は薄くなってしまいます
濃い方が歯にはよく効くということね!
1000ppmF以上のフッ化物イオン濃度では、500ppmF高くなるごとにむし歯予防効果が約6%上昇するという研究があります。
その一方で、500ppmF以下の濃度のフッ化物配合歯磨剤のむし歯予防効果は明らかにされていません。
ヨーロッパの小児歯科学会が出しているガイドラインでは6歳までは1000ppmFで1日2回、6歳以上では1450ppmFで1日2回という方法が推奨されています。
ちなみに、日本では6歳までの子は500ppmF以下、6〜12歳までは1000ppmF以下を推奨されています。
日本よりも濃度が高いのね
そうなんです。その点が世界の予防先進国との差ですね。
日本もいずれはフッ化物濃度の上限がまた改訂される可能性もあるでしょう。
その時のために正しく使えるように、今のうちから知識を高めておいてください
日本で使えるフッ化物配合の歯磨剤でおすすめなのはこちらです。
0歳〜 ぶくぶくうがいができない子(500ppmF)
〜6歳 ぶくぶくうがいができるようになればこちらがおすすめです(500ppmF)
6〜12歳(950ppmF)
13歳以上はこちら(1450ppmF)
歯磨剤の使用量
濃度の他にも、量によってもむし歯の予防効果に差が出てきます。
量が多いほど唾液中にフッ化物が残りやすいからです。
しかし、多すぎると飲み込むリスクも増えるので、適正な量を知っておきましょう
これも先ほど出したヨーロッパの小児歯科学会のガイドラインを参考にしてみましょう
まず、0〜2歳までは0.125gとあります。
これは「Grain of rice」とあるように「米粒程度」ですね
次に、2〜6歳では0.25gです
これは「Pea」とありますが、これは「エンドウ豆サイズ」です
そして6歳以上となれば0.5〜1.0g
だいたい「歯ブラシの端から端までの長さ」ですね。
まぁ少しはイメージできたわ。笑
これぐらいの量が必要だなと覚えておいてください。
ブラッシングの時間
いくら適正な量と濃度のフッ化物配合歯磨剤を使用しても、ブラッシングの時間が10秒とかなら、なかなか効果は現れにくいです。
かといって長すぎると、途中で唾を何回も吐き出してしまいますから、せっかくのフッ化物が流れてしまう可能性もあります。
では大体どれぐらいを目安に歯ブラシをすれば良いのでしょうか
推奨は「最低2分以上」です。
そうすることで、お口の中のフッ化物量は増加していきます。
意外ね。それぐらいでいいんだ
「5分」というとなかなか大変と感じる方が多いかと思いますが、まずは「2分」に慣れましょう!
しっかりと適正な量と濃度のフッ化物歯磨剤を使っていただければ、
より効率的な歯ブラシができます?
なので、できるだけ2分磨くことには慣れておきましょう!
お子さんであれば、2分はお口をあけて歯ブラシができるのを目標にしてもらえればと思います?
お口のすすぎ方
最後にお水の口のすすぎ方です。
最後はしっかりとブクブクして洗い流すのが良いんでしょう?そっちの方が気持ちいいし
と思っておられる方は非常にもったいない!
フッ化物配合歯磨剤を使う目的は、よりお口の中にフッ化物を残しておいて、それが歯に作用してくれることでした
せっかく歯磨剤にいたフッ化物がお口の中に移ってきて、
「さあ今から歯を強くするぞ!」となっても、お水でゆすぎすぎて始まったらフッ化物が流れていってしまいます。
なので、少量のお水で(おちょこ1杯程度)お口を軽くすすぐのみにしておいてください。
ここはよく勘違いされている方が多いところです
知らなかったわ…。これから気をつけます!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、フッ化物はきちんと理解して適正に使えば非常に有効なものです。
是非理解を深めて、正しく使い、安全に歯の予防をしていってください!
それではまとめておきます!
- 適正な量と濃度でのフッ化物配合歯磨剤での1日2回の歯ブラシ
- 最低2分の歯ブラシ
- 最後はおちょこ1杯ほどの水で軽くゆすぐ
です。
もしご不明なことがあれば気軽にメッセージを送ってください?
それでは今回はここまでで?⚕️