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こささ歯科こども矯正クリニック

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NEWS

2022.01.01

動物を口呼吸にするとどうなった!?

みなさん、こんにちは!

副院長の康です?‍⚕️

今回は動物を口呼吸するとどうなったか!?という実験を紹介したいと思います!

こどもの成長発育において、口呼吸はダメ!と説明をしてきていますが、

「じゃあ動物ではどうなの?」

「実際に口呼吸に変えれば本当に顔は変わってくるの?」

「そんな実験は今までされているの?」

という(鋭い!?)疑問にお答えしたいと思います!

ですが、あくまで動物(今回はお猿さんです?)での実験結果なので、それが人間にそのまま当てはまるというわけではありません。

知識として知っておいていただければなと思います。

今回は少し内容が難しいですが、是非最後まで読んでみてください?

実験の内容

実験ってなんだか難しそうね

今回は一般の人向けにできるだけ簡略化して書いていきますね!

専門的なことはカッコの中に書いておくので、そこはわからなければ無視しておいてください!

実験したのは誰?

実験をしたのはアメリカの矯正歯科医のハーボルドさんで、1981年に発表されました(けっこう古いです)。

どうやって実験したの?

42匹の猿(アカゲザル)、2~6歳(だいたい2~4際が歯の交換期)を用いて、

特徴が似ている猿をペアで配置して観察し、

一方は何もせず、

一方にはシリコンの材料で鼻の気道を塞いで口呼吸を誘発し、

そのペアでどのような顎の形になるか、どのような歯並びになるか、顔の成長はどのようになっていくかを比較して調べています。

検査期間は3年間です。

つまり、いつも鼻呼吸をしている猿に、一方は鼻を塞いで口呼吸に、もう一方はそのまま鼻呼吸にして、ペアで何組かを観察したってことね

どのようになったの?

その結果がこちらです!

ちょっと長くなるので、変化があった部位ごとに分けて説明していきます!

鼻を塞がれた猿(実験群)と

何もしていない猿(対照群)とで比較してみていきましょう!

くちびる?

何もしていない猿:口は閉じたまま。

鼻を塞いだ猿:口が開いた状態。

最初の実験開始の1月間はくちびるは安定せずに不定期に動いていましたが、

その後はリラックスした状態で口を開け、口呼吸をおこなっていた。

上唇の真ん中には窪み(ノッチ)が発達する傾向にあった。(鼻呼吸をするようになると、その窪みは無くなった!)

舌?

何もしていない猿:舌は上顎についている状態をキープしていた

鼻を塞いだ猿:舌の上下の厚みが薄くなり、喉の方へ空気の通り道ができていた。

舌の形は長くて狭くなり、空気の通り道を確保するのに適した形になっていた。

表面には通常ではみられないような溝ができていた。

(実験終了後、鼻呼吸が再開されると、舌の形が正常に戻った!!)

歯並び?

何もしていない猿:正常な歯列が発達した。

鼻を塞がれた猿:上の歯並びは前後的に短くなり、下の歯並びは横幅が狭くなった

噛み合わせのタイプは

上下の前歯の先と先で当たるような歯並びになったり、

出っ歯になったりと、

歯並びが悪くなるタイプはさまざまだった

下顎の動き

何もしていない猿:正常な噛み合わせ運動

(一番しっかりと噛めるのは、下顎が最も奥にあった時だった)

鼻を塞がれた猿:2箇所の噛み合わせを持っている(二態咬合)

頭部の計測

セファロというレントゲン写真にて頭部全体のレントゲンを側方から撮影してそれを測定。

両者を比較してみると、鼻を塞いだ猿の方が

下顎の顎のラインの傾斜が大きくなり、

顔の高さが増加していることがわかりました。

結果のまとめ

鼻を塞いだ猿は口呼吸を強制され、みんな口を開いたままにし、舌を突き出していました。

お口を開けて空気の通り道を維持するように、

顔や舌の筋肉、そして下顎の位置を制御する筋肉の活動が増加していた。

つまり、口呼吸になると、今までお口を閉じていた筋肉とは違う筋肉の使われ方になったということです。

呼吸は人間も動物もずーっとし続けないといけないものなので、

できるだけ最小限のエネルギーで、無理のない筋肉の活動で行おうとします。

ここはすごく重要なポイント!

なので、鼻呼吸と口呼吸とでは、使う筋肉が違ってきます。

呼吸を行う上で、最小限の舌と顎の動きで呼吸ができる、最も効率のいい舌の位置を見つけようとした可能性がある。と述べられています。

口呼吸をすると、お口は開くので下顎骨は下がってしまいます。

そうすると上顎も下向きに成長します。

そして重要なことは、歯並びが悪くなった鼻を塞がれた猿たちはみんな不正咬合になったのですが、同じような不正咬合になるのではなく、パターンは異なっていたのです。

お口が開いたままで、下顎がずっと下の方にある場合、下顎の形態が変化します。

上顎は、主に舌の位置と動きによって決まります。

鼻を塞がれた猿はみな、リズミカルな動きや唇、舌、下顎の位置の変化のためにさまざまな筋肉の組み合わせをおこなっています。

口腔顔面、顔面頭蓋、そして歯の咬合の形態学的変化は、それに応じて変化しました。

ですが、口呼吸と特定のタイプの不正咬合とは繋がらなかった。とのことです

「口呼吸=特定の歯並び」ではないということね

一方、特定の筋肉の活動と顎の位置の変化は、(対応する骨のリモデリングを引き起こす可能性があり)関係があるかもしれません。

というものでした!

まとめ

やっぱり難しいわ…

そうですよね…^^;

まとめると、鼻呼吸と口呼吸では使う筋肉が違うということです。

そして筋肉が異なれば、その筋肉が骨を引っ張り、顔の形を変形します。

猿においても、

同じ方法で、同じ年齢で鼻を塞いだとしても、猿は同じタイプの不正咬合にはなりませんでした。

これは鼻を塞がれたことに対する、筋肉の反応はそれぞれ異なっていたからと考えられます。

先ほども述べましたが、呼吸は動物にとっては非常に重要なもので、ずーっとし続ける必要があります。

なので、1回1回の呼吸で疲れることはできないんですね。

本能的に最小限のエネルギーで呼吸をしようとします。

そのパターンが各個人で異なっており、その筋肉の動かし方で歯並びが変わってきます!

なので、理想的な呼吸の時の姿勢をしっかりと覚えておきましょう!

  • 舌は上顎についている
  • くちびるは閉じている
  • 奥歯で軽く噛んでいる
  • そして鼻で呼吸する

この状態で一度唾を飲み込むと、お口の中は真空に近い状態になり、

下顎の位置は安定します。

これが最小限の筋活動で呼吸ができる理想的な姿勢であり、

この姿勢こそが理想的な歯列につながります。

まぁとりあえずこの4つだけは覚えておくわ

そんな感じでOKです!笑

今日は少し難しい内容でしたね?

ですが、この実験結果は非常にいろいろと考えさせられる内容です。

是非何度か読んでみて、少しでも理解してみてください!

それでは今日はこの辺で?

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