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子どもの外傷時の対応!
みなさん、こんにちは❗️
京都市北区、北山の小佐々歯科診療所の副院長の康です?⚕️
今回は重要なテーマ「歯の外傷」についてお話しします!
お友達のお子さんはこの前にこけて歯を受傷したって聞いたわ…うちの子がなった時はどうしたらいいのかしら…
子どもさんの転倒や、友達とぶつかった、硬いボールに当たったなどの事故は多いですね。
外で元気いっぱい遊ぶことは成長にとってすごく大事です
ですが、思いっきり体を動かしていると、どうしても転倒やぶつかったりの事故とは切っても切れない関係にあります
心配であるが故に外で遊ばせないといことはできません
大事なことは、もしそうなった時にどう対処すればいいかを知っておく!ということです
対応を知っておくだけで、いざという時に非常に役立ちますよ!
適切な対応をして、被害を最小限に抑えるようにしていけるように、今回でその知識を是非知っておいてください!
先に重要なことを述べておくと、
抜けた歯が元に戻るかどうかは処置をするまでのスピードが大事!
ということです。できるだけ早くに処置を行ってもらうようにしましょう!(欠けたり、折れたりした場合はスピードはあまり優先されませんが、その日のうちに処置を受けるようにしましょう!)
受傷した時の確認事項
まず、受傷した際は意識の確認をしてください
これは脳への損傷があるかどうかです
意識があっても、自分の名前や今日の日付が言えなかったらまずは病院で見てもらった方がいいでしょう
意識ははっきりしている、けれども歯がおかしい
となれば、すぐにお近くの歯医者さんに連絡してください。
まず整理しておいていただきたいことは
- いつ、どこで、どのように受傷したか
- 歯は欠けているのか、まるまる抜けているのか(←処置内容が大きく変わってきます)
- 歯をどのように保存しているか(できるだけ連絡する前に牛乳につけておく)
- 今どのあたりで、受診までにどれぐらいかかるか
などです。
これらの情報があれば、私達も準備ができます
後はその歯科医院さんからの質問があれば、それに対応してください。
すぐに牛乳へ!
牛乳飲んでカルシウムとって、元気になろうー!
というわけではありません!
とれてしまった歯が元に戻るかどうかは
歯根膜(歯の根っこの周りの膜)が生きているかどうか、傷ついていないかどうか
にかかってきます。
一番やめていただきたいのは
歯を乾燥させること
です。
乾燥状態で2時間おかれると、大半の歯根膜は死んでしまいます。
そうすると、元にもどしてもうまくひっつかなかったり、根が吸収して長くはもたなかったりします
まるで陸に釣り上げられた魚みたいですね!
鮮度を落とさないように乾燥は絶対に避けてください。
そして、歯根膜を傷つけないことも重要!!
間違っても、汚れたからといって、歯ブラシなどでゴシゴシと磨いてはいけません!
歯を洗わなくてもいいのね!?
かなり汚れている場合は軽く水ですすぐ程度にしておいて、すみやかに牛乳に入れておいてください。
では、潤えばなんでもいいのかというとそうではありません!
できるだけ、生体に近いpH(ペーハー:酸性度)の方が良いです。
そこで一番手に入りやすくてすぐに準備しやすいもので、「牛乳」が圧倒的に第一選択になります。
子どもが受傷して、歯が抜けてしまった場合、まずは歯を牛乳につけることを優先してください。
そこから状況を把握して歯科医院に連絡。(同時にできればもっと良い)
近くに複数人いらしたら、牛乳係と連絡係で分担していただければ良いかと思います。
よく、学校の保健室では、製薬会社の歯の保存液というのが置いてあることがありますが、
それよりもできれば牛乳の方をおすすめします。
受傷した歯のその後
基本的には
やるべきことをやった後は経過をみていく
です。
必要な処置は、どう受傷したかによって様々です。
例えば、
- 歯が欠けただけ ➔ 欠けた歯をくっつける、修復する
- 歯が欠けて神経が露出している ➔ 神経を保護し、修復する
- 歯が割れた ➔ 割れ方によりますが、修復の場合もあるし、経過観察の場合も。保存が難しいこともあります
- 歯が抜けた ➔ 整復して一時的に固定。将来的には神経の処置が必要になる可能性が高い。
- 歯が埋まった ➔ 経過をみるか、整復して固定か。
などなど
状態によって処置は様々です。
そして、乳歯の場合ですが、もし乳歯が抜けた場合は、基本的に戻すことはあまりしません。
それは
- 脱離の可能性が永久歯よりも高く、脱離した場合に飲み込んでしまう恐れがあること
- 抜けた乳歯を戻した時に、永久歯に影響が出やすいこと
が挙げられます。
しかし、歯がないと見た目の問題や、その後の‘発音発語の問題もありますので、十分にリスクを理解された上で、担当の歯科医師の方とご相談ください。
わかってていただきたいのが、戻すことが全てではないということです。
戻すことで生じるリスクもあり、総合的な判断が必要になります。
永久歯に影響がないように処置を行うことが重要です
そして、外傷を受けた歯は経過をみていくと、変色がよく生じてしまいます。
これは必ずしも中で感染が起きているというわけではありません。
しかし、歯茎が腫れていたり、膿が出ていたりすると、処置が必要になるので、そのような場合はすぐに担当の歯科医師の方にご相談ください。
また、定期的にレントゲンでの確認は必要になるので、歯医者の定期受診は必ず受けるようにしてください。
まとめ
外傷は本当によく起きます!
好発年齢は1〜2才、7〜8才(引用:日本外傷歯学会)と述べられています
1〜2才では歩き始めの発達期であり、不安定な時期だからです。
その転倒の傾向は以前よりは増加傾向にあるとの報告もあります。
この傾向は、以前より親御さんの関心の高まりや、歯科医院への受診のしやすさなどの背景もあると思いますが、
それに加えて、赤ちゃんの体の発育状態にも関係がしてくると思います。
ハイハイなどを十分にせずに歩くようになると、背筋や体幹がしっかりしないまま立つので、安定せずに転倒が多くなります。
そして、7〜8才などでは、上の前歯の出っ歯があれば、その部分に衝撃が集中しやすく、外傷が増えることも確かです。
なので、歯の外傷に関する予防としては、
- 赤ちゃんの頃からしっかりと体を運動させる
- 歯並びを良くなるように管理していく
などが考えられますね!
それではまとめです
- 受傷したらまずは意識確認!
- 歯が欠けたり、取れたりしたら、とりあえず牛乳に!
- 受傷した時の情報をできるだけ整理、把握!
- 受診までのスピードが大事!
- 症状によって処置は様々、予後も様々
- 外傷の予防はしっかりとした運動と、歯並びの改善!
以上です!
少しでもお役に立てれば嬉しいです(?
またなにか質問があれば、お問い合わせフォーム、もしくはコメントで気軽に連絡をください!
それでは今日はこのへんで!