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こささ歯科こども矯正クリニック

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NEWS

2021.07.25

食後はすぐに歯ブラシをしたほうがいいの?

みなさん、こんにちは❗

京都市北区、北山の小佐々歯科診療所の副院長の康です?‍⚕️

今日はこんな質問がありました

「食事をした後は、歯が溶けやすいから、しばらくは歯ブラシをしないほうがいいと聞いたのですが、本当?」

「むし歯にさせたくないけど、どのタイミングで歯ブラシをさせればいいの?」

という疑問は、きちんとお子さんのことを考えておられるからこそ、出てくる疑問だと思います❗

歯ブラシをしたいのに、やってはいけないと言われると困りますよね

「食事をすれば歯が溶けやすいから○○分後に磨くべき!」

など書かれていることがよくあります。

今では少し調べればいろんな情報が出てきて、多くの答えが返ってきますね。

すべてが一貫性があればいいのですが、バラバラになると今回のように

「良くしていきたいけど、正しい方法がわからない…」

という状態になることが多いのではないでしょうか?

今日は「食後の歯の状態」をテーマにしていきます!

この問題に関して理解すると、歯がどうしてむし歯になるのか?という理解にも繋がりますよ!

そして唾液の素晴らしさについてもわかっていただけると思います

良い歯ブラシ習慣にも繋がると思うので、是非最後まで読んでみてください?‍♂️

歯が溶けやすい状態とは!?

歯が溶けやすい状態とはどういう状態でしょうか?

「(ビーカーに炭酸ジュースをいれ)酸性飲料水に歯を浸しておくとこんな状態になりますよー」

という実験が行われたのをきっかけに、

「食後は酸性状態になるので、すぐに歯を磨いてはいけません❗」

と過去に報道されました。

炭酸飲料などはpH(ペーハー:酸性かアルカリ性か)は2程なので、強酸性です。ほぼ胃液ですね。

そんなところにずっと漬けておけば、歯もボロボロになるのは当たり前です。

その状態で歯を磨けばどんどん表面が傷ついてしまうのは間違いありません。

ですが、ここで、考えていただきたいのですが、

お口の中の環境はビーカーとは違いますよね?

では何の違いがあるでしょうか?

それは「唾液」です

「え、なに?ただの唾液?」

と思ったそこのあなた!

唾液様を侮ってはいけません?

唾液とはほんっとうに素晴らしい作用をもっているのです

唾液は最高級のシャワー!?

お口の中は、安静時にはpH(ペーハー:酸性かアルカリ性か)は常に中性に保たれています。

これは当たり前のように思うかも知れませんが、唾液というものがなければ成り立ちません!

もしお口の中がずっとpH2とか、pH13とかであれば歯どころか、もう口の中全体がボロボロになってしまいます。

それをいつもせっせと「中性にしよう、中性にしよう」としてくれているのが、唾液です。

唾液にはたくさんのミネラルが含まれており、歯のエナメル質中のミネラルとほぼ均衡しています(「飽和状態」といいます)。

なので、「再石灰化」というワードを今までで聞いた方もいらっしゃるかと思うのですが、

歯の表面の初期のむし歯であれば、しっかりと歯ブラシをしてプラーク(歯垢)を除去できていれば、唾液の作用によって歯は自然に修復されていくのです。

そして唾液は有害な物質が口の中に入ってきたとき、酸から歯を守るように働いてくれます。

例えば、強酸性の炭酸飲料などが口の中に入ってくれば、その刺激で速やかにpHの高い唾液が大量(安静時の約10倍!)に分泌され、即座に中性に戻そうとしてくれます!

歯は唾液によって守られているのですね。

唾液は歯をどんどん洗い流して修復してくれる、ミネラル付き、中性化機能付きの最高級のシャワーなんです?

歯ブラシのタイミングは?

なので、通常の食事をして一時的に酸性になったとしても、すぐに唾液が中性に戻す機能が働いてくれるので、「歯は溶けやすい状態」ではありません。

食後は速やかに歯を磨くことが正解です。

(これは日本小児歯科学会も提言しています。➔http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index09.html

歯が溶けるかどうかを気にするよりも、できるだけプラークをついている時間を減らすようにしてください。

(プラークがついている方が酸化して歯が溶けてしまいます)

ただし、この唾液の素晴らしい機能にも限界があります。

口の中が酸性になる「頻度」ですね

1回2回炭酸飲料を飲むのはいいですが、1日の中で何回も飲んだり、同じ量でもちびちび飲んだり

そのようにしていると、唾液の中和機能も追いつかずに歯の表面はどんどん酸性に傾いてむし歯になってしまいます。

なので、ジュースはお菓子と同じように間食ととらえ、1日に1回まで!!

「え、ジュースは別じゃないの!?」

とおっしゃるお母様もたまにおられます。

そんなジュースより甘いことを言ってはいけません!!

ジュースも食事やおかしのタイミングと一緒にし、できるだけ何も食べない時間を作り、

しっかりと唾液の作用が歯に働くようにしましょう!!

まとめ

では今回のお話をまとめておきます。

  • 食後は歯が溶けやすい状態ではない!
  • 食後はすぐに歯を磨きましょう!
  • ジュースも間食と捉え、できるだけ間食の回数をへらす
  • 唾液は素晴らしい!!

どうでしょうか、少しでもお役に立ちましたか?

もし質問があれば気軽にコメントを残してください。

では今日はこのへんで?

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