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こささ歯科こども矯正クリニック

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2021.07.19

治療時の子どもとの向き合い方②(子どものプチ心理学)

みなさん、こんにちは!

京都市北区、北山の小佐々歯科診療所の副院長の康です?‍⚕️

今回は前回の続きになります、

「治療時の子どもとの向き合い方」の3歳以降についてお話ししていこうと思います。

3歳~6歳というのも、なかなか個性があり、できる子と怖がりな子、すっごい素直な子や生意気な子(笑)と様々な年頃です。

幼稚園に通いだして、徐々に社会性が育まれてくる時期であり、どんどん使える言葉が増えてくるので、話していてもすごく楽しい年齢になります?

そして小学生の7歳~11歳は、もう3歳に比べると全然別人のようですね。

今回は子ども達との向き合い方について、後半のお話ししていきます。

是非最後まで読んでみてください?

自発性の発育(3歳~6歳)

この年齢は幼稚園に通う年齢です。

この段階では、前回お話しした「自律性」をもっと発達させる時期であり、

それに加え、計画をたてて活動し、自らうまくやり遂げようとします。

このような自発性が育まれ、

・めちゃくちゃ動き回る

・好奇心旺盛で質問攻め

・少し攻撃的で生意気な話し方

などで現れやすい。

この年齢の子達と話していて、反抗的な態度をとられた場合、

(イライラ)

となってはいけません!

そのような態度を取りやすい年齢ということをまずは受け止めましょう!

なので、

なかなか協力を得られないような態度をとられた時は

(そういう年齢なんだな)

という感じで受け止めてあげてください?

その上で、

子どもが成功できるようなことを目の前に示してあげ、

子どもが無理そうなこと、難しいことは極力させないようにしてあげることです。

そして、加えてこの年齢に特徴的なことが

「尊敬する人、自分の好意を寄せる人をマネしやすい」

ということもあります。

つまり、この年齢には以前にお話ししたお兄ちゃん、お姉ちゃんのモデリング法が有効になってきますね!

逆に、到底無理なことにぶち当たったり、尊敬する人に非難されるようなことがあれば、「罪の意識を生む」とエリクソンは述べています。

3歳頃というのは、3歳児健診で虫歯ができ(もしくは幼稚園の歯科健診で引っ掛かり)、初めて歯科医院を訪れる子も多いと思います。

その子にとって、歯科医院の受診というのは

「成功を体験できる新しい心踊るような大冒険?️」

になりうるかもしれません。

「知らないところに来た…いつもと違う音とにおいがする…」

と不安にいっぱいの子ども達が、それを乗り越えて得られる「成功」というのは、独立心や達成感を育てるのに大きく関わってきます。

逆に、歯科医院に初めて訪れることで、何かできないことや失敗を体験することがあれば、それは「罪の意識」を感じることになるかもしれません。

なので、

初めて訪れた歯科医院では、その子のできることにとどめておくこと

が大事になります。(もちろん急性症状や外傷などで無理にでもしないといけない場合もありますが)

初めての歯科治療をうまく体験させ、その後も治療に協力的になるためには、そのような工夫が有効です。

技術の修得(7~11歳)

小学生の子ども達です。

この時の子ども達の特徴は

競争心が芽生え、他者との協力の重要性を知ります

今までモデルや信頼の相手として親の影響は大きかったのが、徐々に減少し、友達の影響が増えてきます。

そんな中、「劣等感」を覚えるのもこの時期になります。

私の小学生時代を思い出すと、

ドッチボールやサッカー、一輪車に鉄棒…いろんなことに興味をだしてやっていましたが、その裏には

「〇〇くんよりもドッチボール強くなりたい」とか

「□□くんよりも一輪車で遠くまでこげるようになりたい」とか

競争心に燃えていたような記憶があります。笑

そんな年齢の子どもには、

どんどんチャレンジできるような環境を作ってあげること

が重要になってきます。

達成できるような中間目標を設け、そこからどうすればゴールに向かうことができるかを子どもに教えて後押しし、子どもが「努力して達成する」という感覚を養ってあげることが大切になってきます。

この年齢では、矯正治療を始めることが多いと思います。

矯正治療の中には子どもが主体的に行うものがありますが、子どもが私たち歯科医師側の言うことを聞いてくれるかどうかは、

  • 「歯科医師や両親を喜ばせるにはどうすればいいか」を本人が理解しているかどうか、
  • 周りの人間が治療に対して肯定的な受け止め方をしているかどうか、
  • そして周りの者が望む行動を歯科医師が強化しているかどうか

が重要です。

この年代の子は

「この矯正装置を使えば、噛み合わせが良くなるよ」

というような抽象的なことよりも

「この装置を使えば、前歯が綺麗になって友達もびっくりするよ」

と言うように、自分の周りの人たちから評価を受けるように声かけしてあげると有効かもしれません。

仲間から自分の評価が上がるようなアプローチの方が動機づけられることが多いと言います。

やはり、徐々に親の影響よりも友人の評価の方が気になる年頃なんですね。

思春期(12~17歳)

この年齢になると思春期ですね。

身体が急激に発達する時期であり、同時に自我が獲得される心理社会的な発達段階です。

これを読まれている方にも思春期とはどういうものか、というのはわかっていただけるかと思います。

複雑な時期ですね

「自己同一性(identity)の発達の時期」

とも言われます。

この時期は自我を獲得される時期であり、自分自身の主体性を確立するために、それまでは家族に属していたという感覚から、独立をしていく時期です。

そんな中で、仲間という存在は重要となります。家族に認められたいという欲求は少なくなり、その分周りの同級生や仲間にどれだけ認められるかを求める傾向にあります。

もし仮にこの時期に矯正治療を始めようとする場合、親御さんが子どもさんのためにと思っていても、本人が全くやる気がなければ、これは良い方向には進みにくいです。

本人がが治療を望む場合のみに行われる方がいいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

子どもの心理学とは非常に面白いですよね。

成長そのものというか、この経過を見れて、接することができるのが小児歯科の素敵なところだなと思います。

歯科医院のスタッフというのは家族でもなく、同級生などとは違います。

ですが、その中間的な存在であることから、良い距離感で子ども達を支えてあげれる立場ではないかと思います。

矯正をしていれば毎月会うような関係です。

このような心身の変化を理解し、子ども達を支えていけるように、私たちも日々精進してまいります。

もし何かご質問などあれば、お気軽にお問い合わせください?

それでは今日はこのへんで?

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