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NEWS
治療時の子どもとの向き合い方①(子どものプチ心理学)
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みなさん、こんにちは!
京都市北区、北山にあります小佐々歯科診療所の副院長の康です?⚕️
子どもさんを歯科医院に連れてきてくださっても、
なかなか子どもが治療に協力的でなかったり、
ずっとちょけてしまって、真面目にできなかったり
「前の時はすごく上手にできたのに、今日は…え、なんでっ!?」となったり。笑
子どもさん(特に3歳前後)の治療への協力度は本当に天気のごとく変わっていきます!(私はそこが楽しいと感じているのですが?)
もちろん、年齢が上がるにつれてだんだんとできることは多くなっていきますが、
年齢によってどのように変わっていくかということは、私たちも理解しておかなければなりません
私たち、大人の当たり前は、子どもにとってはぜんぜん当たり前ではありません
今回はそんな子ども達の「情動と認知の発達段階」についてお話ししていきます。
子どもがどんな段階を経て治療に協力できるようになっていくか
今回の記事を読んでいただくと、そのだいたいの目安がわかり、今より少し落ち着いて子どもと向き合えるようになると思います!
是非、最後まで読んでみてください(^^)
エリクソンの心理社会的発達理論
心理学者 Erik Homburger Erikson(以下、エリクソン)は
人間の心理的な発達は8段階に分けられる!!
と唱えています(『心理社会的発達理論』と言います)。
今回は「子どもの歯科治療」という観点から
- 0歳〜18ヶ月
- 18ヶ月〜3歳
- 3歳〜5歳
- 5歳〜13歳
という初期の4段階にフォーカスしてみます。
この考え方では、
「各発達段階はその子が置かれている周りの環境の影響を受け、各段階での課題や障壁が存在し、それを乗り越えていくことで人格が形成されていく」
というものです。
そしてそれは個人差はあるけれども、発達段階の順序は一定である。ということが述べられています。
つまり、精神的な発達というのはある一定の順序があり、それを順番にクリアしていくことが重要ということですね!
それでは1段階ずつ見ていきましょう!
基本的信頼の発達(生後〜18ヶ月)
この段階では、与えられた環境での「基本的な信頼」が育まれます。
生まれたての赤ちゃんは誰かに守ってもらい、お乳での栄養をもらわないと死んでしまいます。
そのような要求を満たし、自分を守ってくれるのは、そう、ママ(もしくはその世話をする代理の人)です。
ママがしっかりと守ってあげて、愛と栄養を与えてあげる。
その行為を繰り返すことで「基本的な信頼」が生まれます。
このような初期の段階の子どもは、親しか信頼できていないことが多く、
子どもが親から離された時に
「いやだー!!怖いー!!」という「分離不安」というものに繋がります。
なので、この年齢や、この段階にいる子どもが、もし歯科治療が必要になった時には
ママに抱っこしたままの状態か、横に座っておいてもらう
というスタンスが良いでしょう。
いきなり現れた歯医者の言うことはなかなか聞いてくれません。
これは「他者を信頼する」という段階に向かう過渡期だからです。
私たちも、ぜんっぜん知らない巨人がいきなり現れて、何をされるかわからないまま、自分の口の中を触られようとしたら…
それは怖いですよね?
このママとの強い絆が構築できれば、その信頼が徐々に自分の身の周りのものに移っていきます。
なので、この時期のママとの強い信頼関係は非常に重要です。
この基本的な信頼の感覚の発達ができていなければ、
周りの他のものを信頼できなくなり、極端に臆病で非協力的な子どもになってしまう可能性があります。
なので、しっかりと子どもさんに愛をたっぷりで接してあげてください。
親子の絶対的な絆というのは、一番の基盤になるということですね(ステキ!)。
自律性の発達(18ヶ月〜3歳)
2歳前後の子はなかなか手を焼くことが多いなと感じる時がよくあります^^;
この時期には、子どもは母親からだんだんと離れていき、
個人の主体性が見られるようになってきます。
つまり
「なんでも自分で決めたいー!!」
という感じですね
そんな、自分流のやり方を主張する一方で、
頼みが必要となれば、急に「ママ〜」と親に甘えに行ったりする。
こんな二面性がよく出てくる段階です。
しかし、自分の主体性がどこまで通じるのか
なんでもかんでも自分の意志を突き通すことはできない、ということもこの時期に教えてあげないといけません
なので、子どもは徐々に自律性を獲得していく段階となります。
この段階での接し方は
子どもをサポートしつつ、独立した行動ができるような機会を与えてあげることが大事です。
ちょっと頑張ればできることに、いつもチャレンジさせることですね。
こうやって子どもは「自分でできる!」という自信を持てるようになります。
歯科用バキュームでも、目の前で見せて、触らせて、ちょっとだけお口でやってみる。
そうして、自分のできる範囲を徐々に広げてあげることが大事です。
そして、重要なことは「ダメなものはダメ」ということも教えてあげましょう
この時期はおむつを卒業する時期ですが、
自分1人でトイレで用を足せるようになる中で、パンツを濡らしてしまった時、
今まではそれが当たり前だったのに、自律性が発達してくると、
それが「恥ずかしい」に変わってきます。
エリクソンはこれを「恥の感覚」と述べています。
この恥の感覚があることで、「次は失敗しないようにしよう」や「あ、これをしたら褒めてもらえるんだ」というのを学んでいくようになります。
エリクソンは「自尊心を失うことなく、養われた自制心から、長続きのする善意と誇りが生まれる。自制心の欠如と外部からの過度の干渉は、疑いと恥の性癖をもたらす」と述べています。
この段階で必要なことは
治療の際に必要なことは、第三者から無理にさせようとするのではなく、
「自分がそれを選んだのだ」と子どもに思わせることです。
自律性、主体性をまさに育んでいる最中の子ども達にとっては、
「お口をあける」という行為一つでも
自分でやると決めたことはOK、誰かに言われるのはいやだ
となります。
子どもにとっては「私がやるって決めたことだけやるんだもん!!」という感じですね。
なので、
「この緑のエプロンか赤のエプロン、どっちが良い?」
「今日は歯ブラシしてみよう!まずは自分でできるかな?」
などなど
小さいことでも自分で決めさせてあげ、やらせてあげてください?
そして自分で選んでできたことを、しっかりと褒めてあげましょう!
しかし、この年齢で、どうしても歯科的な治療が必要になった場合、恐怖心を覚えて非協力になった子は、それに耐えることは難しいことが多いです。
その場合、この年齢では鎮静や抑制が必要になることはご理解ください。
まとめ
今日は前半の3歳までを取り上げてみました!
いかがだったでしょうか?
次回は4歳以降を取り上げていきたいと思います(^^)
精神的な発達にも順番があります。
いきなり上手に治療ができるようにはなりません。
そして年齢によっては限界もあるのです。
その子がどこまでできるかをゆっくりとみてあげ、少しずつできる範囲を広げてあげることが大事ですね。
それではまとめです!
- 人間の心理的な発達は8段階に分けられる!
- 一番の基盤はママとの信頼関係
- その基盤があれば徐々に周りを信頼することができるようになる
- そこから主体性と自律性が育まれてくる
- 自律性をサポートしてあげるのは、自分で決めさせること
- できたら褒める、ダメなものはダメとルールを少しずつ教えてあげる
以上となります!
少しでもお役に立てれば嬉しいです?
またなにか質問があれば、お問い合わせフォーム、もしくはコメントで気軽に連絡をください!
それでは今日はこのへんで!